ジャパン・シンドローム「不老長寿を考える」
書籍紹介
ジャパン・シンドローム「不老長寿を考える」
大学院時代、とてもお世話になった山室隆夫先生が書かれた本を読みました。
山室先生は、京都大学病院の病院長や整形外科講座の教授をされていた先生です。
現在は、財団法人生産開発科学研究所の理事をされています。
京都の大学院に行くに際し、右も左も分からない時に、本当に親切にしていただいた先生です。
見識の深さ、活動力、懐の深さなど、尊敬できるところを挙げればキリがありません。
そんな先生が、「不老長寿を考える」という本を書かれました。
その中でジャパン・シンドロームという言葉が書かれていました。
日本の少子高齢化の特徴として、世界一の長寿を実現したものの、高い寝たきり率があり、労働力の減少、経済活動の低下、財政赤字という負の連鎖があり、それを諸外国ではジャパン・シンドロームと呼んでいるとのことでした。
寝たきりの始まりは、整形外科疾患であることが多いとも言われています。
関節の痛みから活動レベルが低下し、筋力が低下し、負の連鎖が始まる。
いわゆる、ロコモーティブシンドロームの考え方です。
楽しく人生を送っていってもらうためのサポートを行うこと。
それが整形外科医の仕事の本質だということを、この本を読んで改めて思いました。
◆参考図書『不老長寿を考える』
著者/山室隆夫
出版/ミネルヴァ書房(定価¥2,500円+税)