第30回　日本整形外科学会基礎学術集会から、興味深い題材を紹介しています。

本日、ご紹介するのは、この演題です。

題名　：メカニカルストレスに対するJAK阻害剤tofacitinibの軟骨破壊抑制効果

発表者　：町田崇博先生（岡山大学）等

Tofacitinibはリウマチ薬の1つです。

細胞内の情報伝達を邪魔することで、リウマチのよる関節破壊を抑える効果があるとされています。

この薬を使って、物理的なストレスによる軟骨破壊が、どの程度抑制できるかを検討したのが、この演題の内容になります。

軟骨では、強い物理的な負担がかかると、軟骨を分解する酵素が作られてしまい、軟骨を破壊していくと言われています。

研究の結果、Tofacitinibには、これらの酵素が出てこないようにする働きがある可能性が示されていました。

変形性膝関節症は、軟骨がすり減るよりも、軟骨が分解されることで、変形が進行していきます。

そのため、分解を止めることができれば、変形も進まなくなる可能性が高いです。

関節が変形しるメカニズムが明らかになるにつれて、対応策もどんどん増えていくことと思います。